クラフト温泉による新型コロナウイルス不活化を確認

2021年5月、国立大学法人群馬大学GUDi (Gunma University Development & Innovation、群馬県桐生市、代表:樋口 慶郎)の研究グループの協力の下、世界で初めてクラフト温泉による新型コロナウイルスの不活化を確認しました*。また、その不活化の条件を実験的に明示することにより、実用性を学問的に示しました。

背景
現在、感染拡大防止のための消毒は、アルコールや次亜塩素酸など「除菌」が目的のため、その手段としての安全性や毒性については議論がなされずに来ました。 この課題を解決する手段の一つとして、健康増進と殺菌力を併せ持つクラフト温泉を用いた新型コロナウイルスの不活化実験を行い、温泉成分により、新型コロナウイルスが不活化されること、ならびに、クラフト温泉濃度と不活化の関係について実験的に明らかにしましたので報告します。


Craft Onsen/クラフト温泉® 概要

特許技術であるクラフト温泉®は、世界で初めて天然温泉に職人の手を加えて精製された温泉です。専用の工房に天然温泉を持ち込み温泉シェール層と呼ばれる火山層の鉱石を細かく挽き、高圧の釜に投入し高密フィルタで丁寧にドリップして温泉成分だけを溶解します。泉質を知り尽くした職人が、各地の温泉の雑味まで忠実に精製することで、天然温泉比で数千〜一万倍という超高濃度の濃縮温泉が誕生しました。


被検体
クラフト温泉 2500 倍希釈、クラフト温泉 5000 倍希釈に参考として水道水を加えた3種類。ウイルス:新型ヒトコロナウイルス(SARS-CoV-2 WK-521) ウイルス力価(原液):3.6×104 TCID50 / mL細胞:Vero 細胞(株番号:JCRB0111、培地組成:10%血清(FBS)DMEM)試験概要: 検体に対してウイルス液を混合させ、1分後にウイルス液を採取し、細胞へ感染させ感染性ウイルス量を測定。


結果
今回の結果から、クラフト温泉2500倍希釈ではウイルス感染価は1 分後に10分の1以下になることが確認された。なおリファレンスでのウイルス減少は確認されなかったことから、クラフト温泉2500倍希釈が有する不活化能力の評価指標としては、1分で約92%となった。またクラフト温泉5000倍希釈が有する不活化能力の評価指標としては、1分で約78%となった。


細胞毒性試験
試験を行うにあたり、本試験方法で被検体が細胞に毒性を示さないことを確認するために、以下の とおり細胞毒性評価(MTT アッセイ)を行った。 その結果被検体に接触させていない無血清 DMEM 培地を暴露した細胞の吸光度値に対して、クラフト温泉2500倍希釈及びクラフト温泉 5000 倍希釈の値に大きな減少が見られなかったことから、各被検体 に接触した溶液の細胞に対する毒性はないことが確認された。


結論
・クラフト温泉は2000倍以上に希釈した状態でも不活化作用が1分で90%以上に達した。
・希釈濃度と試験時間に対し不活化率の相関性が確認された。
・クラフト温泉に添加した新型コロナウイルスは、細胞への感染力が大幅に低下することを確認した。
・クラフト温泉が、細胞に毒性を示さないことを確認した。

今後の展開について
クラフト温泉の新型コロナウィルスの不活化の有効性が確認されたことから、今後はさらに詳細な研究を進め、全国の源泉所有者の方と協力しながら、衛生対策の有効な手段としての活用を提言してまいります。
*なお、この実験結果はクラフト温泉を使用すると感染症にかからない、または治癒するということではありません。

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