STORY

クラフト温泉
誕生物語

多彩な濃縮源泉の
つくり分け

源泉にはその名の通り、泉の源となる場所がある。
クラフト温泉職人は温泉地へいくと、真っ先にその源流となる山に向かい、土に触れ、石を舐め、その質を確かめる。この地層を眺めているとその温泉が辿ってきた歴史が見えてくるのだ。
その中から採掘した鉱石はコーヒー豆と同じく細かくミル(粉砕)され、各地の源泉を入れた専用のサーバーでゆっくりブレンド&ドリップして、エスプレッソのように温泉の成分濃度を徐々に高めていく。温泉成分が飽和溶解率を超えると、成分が溶けきれず結晶として浮いてくるが、水分の自然蒸発を踏まえこの一歩手前まで持っていくことでミネラルのイオン化を安定させるのだが、ここからがクラフトマンシップの腕の見せどころだ。

温泉の個性は「風情」にあり

温泉について(種類と効能) – Tattoo-Friendly

全国にある温泉の成分分析表をよくよく見比べてみると、実はその中身は全体比で驚くほど差異がないことに気づく。ではなぜ温泉には色味や香り、体感の違いがあるのだろうか。実は、温泉の風情(とあえて僕は呼ぶ)を決めるのは「溶解していない」成分、つまり水から見た時の「不溶性部分」なのだ。

温泉探訪 - 茶濁色

例えば鉄が多く浮遊している温泉は空気に触れた瞬間酸化して茶色くなるし、石灰質の温泉は白く汚濁する。無色無臭のものもあれば、卵のような独特な香りがするものまで非常にバラエティに飛んでいるが、温泉成分自体には実はほとんど影響しない。なぜならそれは源泉に「溶けずに」不溶性化しているものだからだ。ミネラルが成分として、しっかり体で「作用」するためには温泉鉱石をしっかり源泉に「溶かす」必要があるが、温泉の風情を出すためには、あえてオーバーサーチュレート(過飽和)して結晶として残す。ここの比率を整えることで温泉の特徴が際立ってくる。
こうして全国から集まった源泉がクラフト温泉として生まれ変わる。ちなみに1Lのクラフト温泉の原液の重さはおよそ1.2kgにもなる。それだけ成分がぎっしりと詰まっている証拠でもある。
天然温泉の素晴らしさを守りながら、クラフトマンの手でさらにその魅力を引き出す。これがクラフト温泉の最大の特徴である。

温泉への敬意とクラフトマンシップの誇りを胸に