STORY

クラフト温泉
誕生物語

2012年、僕は秋田県の玉川温泉で人生初の湯治に出会った。それまでも温泉は相当頻繁に通っていたので、僕はいわゆる“温泉を良く知ってる人”だった。ただ、ここでの体験の衝撃は、温泉を「娯楽」や「リラクゼーション」の一つと捉えていた僕の価値観、もっと言ってしまうと、人生観を一変するほどの大きな出来事となった。


湯治前夜 before TOJI era

2011年3月、東日本大震災が起こった。当時僕はアメリカの投資銀行で資源関連の仕事をやっていたのだけど、しばらく市場はパニック状態だった。震災から数ヶ月、ようやくひと段落ついた僕は、いつものように温泉地を探していた。ただ、今回は普段以上に徒労感を感じていたので、よりじっくり温泉に入ろうと思っていた。その中で、偶然「湯治」という言葉に目が止まった。そこは秋田県にある玉川温泉という場所で、ガン患者の方が長期逗留する温泉地だった。健康に自信のあった僕はちょっと無縁の場所かなとも思ったけど、この湯治という響きに無性に惹かれ予約を入れた。結局1年以上待たされることになったのだが、とにかくそれが僕と湯治の初めての出会いだった。


健康の定義を変えた湯治

湯治とは文字通り「湯」で「治す」、つまり温泉を積極的に病気の治癒に活用するという昔から日本に伝わる自然療法だが、玉川温泉に触れた瞬間に僕の温泉の概念が文字通り一変した。代謝や免疫という感覚がはっきり知覚できるレベルで変わるのがわかった。全身から吹き出物が出る、黒い鼻血が出る(瀉血)、朝晩2回の快便、朝1分で頭が目覚める、身体の可動域が40%くらい上がってる、布団がビショビショになるくらい寝汗をかく、食べ物の味が劇的によくなる、顔色が3トーンくらい明るくなる。。こんなわかりやすい変化をする人も少ないのかもしれないけど、僕のような鈍い人間でも、その「生き返った」感覚を感じたのだった。

これまでの温泉とは何かが違う